根っこが知りたい

経済などの「なぜ」「どうして」を突きつめて考えるブログです。

「外貨準備」は具体的に(物理的に)どこにあるか?

漠然とどこにあるか分かっていても、すごく具体的にどこにあるかは、普段あまり考えることはないのではないでしょうか。というわけで、とりあえず書いてみます。

 

外貨準備はどこにある?

ニュースなどで「日銀当座預金」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。民間の銀行は日銀に当座預金の口座を持っています。これが「日銀当座預金」です。

しかし「日銀当座預金」の口座を持っているのは銀行だけではありません。証券会社や外国証券会社、外国銀行の支店、国際機関などと、外国の中央銀行や政府も持っています。

つまり各国は中央銀行にお互いの国の当座預金の口座を持ち合っています。この中に「外貨準備」はあります。

日本の外貨準備はほとんどが米ドルです。しかし現金は一部で、多くを米国債などに替えて持っています。つまり、中央銀行にある当座預金の口座だけでなく、国債の口座にも入っている、ということになります。

国債の口座は、日本では日銀が管理しています。政府と、国債をたくさん買っている銀行や証券会社は、日銀に持っているお互いの当座預金(政府預金と日銀当座預金)の口座のあいだで送金することで、その売買の代金の支払いをしているので、国債を管理する口座のデータもこれと連動しているほうが便利です。実際に、日銀当座預金の口座も、国債の口座も、それぞれ日銀のサーバ上でデータとして管理されています(それぞれ別のサーバですが、連動するようになっています)。ほかの国(すべての国ではないかもしれませんが)も、中央銀行が管理しているのではないかと思われます。

というわけで「外貨準備」は、おもに外国の中央銀行の「当座預金の口座」「国債の口座」を管理しているサーバ上にデータとしてあるのではないでしょうか。

 

外貨準備とは何か?

話が後先(あとさき)になりましたが、外貨準備とは通貨当局(政府や中央銀行。日本の場合は財務省や日銀)が持っている外貨(や外貨と交換できるもの、外貨として使えるもの)です。

自国の通貨が(基本的にはドルに対して)安くなりすぎてしまわないよう、適当な為替相場になるように為替介入をおこなう(ドルで自国通貨を買う)ためなどに使われるものです。

実際には外貨だけでなく、IMFリザーブポジション、SDR、金地金(四角などに整形されて刻印された金塊)などもあります。

IMF(国際通貨基金)は、第二次大戦のあとに連合国(国連)の加盟国がお金を出し合って作ったものです。このお金は、加盟国が経済的な危機におちいったときに、その国に貸してあげるためのものです。

IMFリザーブポジションは、国連の加盟国がIMFに出したお金から、引き出すことがゆるされているお金です。SDRはドルやユーロや円など主要通貨と交換できる権利のことで、IMFが発行した通貨のようなものです。

これらはIMFのサーバ上にデータとして管理されているのではないでしょうか。つまり外貨準備は、各国の中央銀行のサーバ上だけでなく、ここにもある、ということではないでしょうか。

※日銀には国際機関も当座預金の口座を持っているようです。ということは、IMF名義の口座もあるのでしょうか? すると、IMFのお金(基金)は各国の中央銀行にある当座預金の口座に入っているということでしょうか? どなたかご存知の方がいたらコメントください。


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